日本でもホルモン焼きとしてよく食べられるコプチャン(小腸)。韓国でも、小腸を塩焼きにしたりヤンニョムをからめて焼いて食べるコプチャンクイは人気がある。釜山が発祥の地というムンヒョンコプチャンが豚の小腸を使うのに対し、この店 「ハルメコプチャンチプ」 では牛の小腸が使われる。
この日いただいたのは、小腸を焼いた料理ではなくチョンゴルと呼ばれる料理。日本のすき焼きのように、浅めの鍋で汁とともに煮ながら食べる料理だ。鍋には真っ赤なスープと生の小腸、野菜などがたっぷり入っている。この鍋にフタをしてグツグツと煮ていく。特に小腸にはしっかり火を通す。

火が通ったら、好みで麺類を追加していただく。まずはラーメンを追加。インスタントラーメンを半分に割り、そのまま鍋に沈める。麺が柔らかくなればすぐ食べられる。スープはその真っ赤な色から辛い味を想像するが、これが全く辛くない。ダシが出ていて実に奥深い味だ。とてもおいしい。コプチャンも独特のその歯ごたえが楽しい。小腸と聞いて想像する臭みなどは全くない。

そして今度はタンミョン(ジャガイモのデンプンでできた乾麺)を投入(▼)。タンミョンはインスタントラーメンに比べると、火が通るのに少し時間がかかるがコシがあってこれまた美味。

煮ながら食べるので、そういうしているうちにスープが少しずつ減ってくる。あまりに煮詰まってきた場合は、スープを追加で少し加える。そして小腸や麺、野菜などの具をあらかた食べたら、最後の締めはポックムパッ(焼き飯)。残ったスープにご飯と海苔を加えて鍋肌に押し付けるようにして加熱。

このポックムパッが実においしい。絶品だ。スープの旨味を残さず吸ったご飯は、後を引くおいしさだ。鍋肌に焦げ付いたご飯をこそげるようにして食べるのもまたよし。幾通りもの味わいを楽しめるコプチャンチョンゴル、日本人の口にも合うと思う。おすすめだ。釜山=牧野 美加
ハルメコプチャンチプ
釜山市東区水晶2洞547-22
(051) 467-4118