薬膳料理研究家のチェ・マンスン(66)・ソン・オンニム(65)夫婦が最近、東莱(トンネ)区で「チェ・マンスンの薬膳料理」という食堂を開いた。トットリ(どんぐり)と鴨肉料理の専門店だ。
「昔はどんぐりと言えば救荒食物でしたが、いまやダイエットや成人病によい健康食品として脚光を浴びています。それで、薬膳や自然食によく合うどんぐり料理を開発してみようと思ったんです」。
どんぐりのでん粉もできあいのものを買うのではなく、自分で作ったものを使うというこだわりようだ。
「どんぐりの酢豚風」(写真左)は豚肉の代わりに、天日干しにしたどんぐりのムク(どんぐりの粉末をゼリー状に煮固めたもの)を使っているが、そうと言われなければこれがどんぐりのムクだとは気がつかないほどの食感。まるで肉を食べているようだ。
「どんぐりムクサバル」(写真右)は、漢方材料と野菜を煮込んで作ったスープに細長く切ったどんぐりのムクを浮かべた「ムクサバル」と、キョウオウ(春ウコン)を使って炊いたご飯がセットになっている。ムクは箸でつかんでも崩れることなく、ぷりぷりとした弾力がある。どんぐりムク冷麺はどんぐり粉(50%)と米粉(40%)で作ったコシのある麺と、ムクサバルと同じく野菜を煮込んで作ったスープが使われている。
寒天を使って作ったどんぐり羊かんが食後のデザートに出てくる。チェさんは、いずれはこうした料理でどんぐりコース料理を作ろうと構想を練っている。
チェさんはこれまで薬膳料理の研究と普及に努める中で、農薬を使わず収穫できるほぼ唯一の食材・どんぐりと蓮の実に注目してきた。今回はどんぐり料理を開発したので、次は蓮の実を使った料理を開発したいと言う。文・写真=キム・スンイル記者
「최만순의 약선요리(チェ・マンスンの薬膳料理)」
釜山市東莱区温泉2洞1711
(051)556-2282
*どんぐり冷(温)麺5千ウォン、どんぐり冷(温)ムクサバル8千ウォン、どんぐりせんべい1万2千ウォン、どんぐり酢豚風1万5千ウォン、薬膳鴨カルビ1万5千ウォン(1人分)、薬膳鴨プルコギ3万5千ウォン