最近、釜山で日本式カレーの食堂が増えてきている。今年1月24日、南浦洞(ナンポドン)にオープンした「お元気カレー」もその1つ。韓国生活19年目という“たけちゃん”こと武田勇記さんが経営する店だ。メニューはカレーライス1種類のみ。値段は3,900ウォンで先払い式だ。

もとは韓国の大学などで日本語を教える仕事をしていた武田さん。その後、西面(ソミョン)など釜山各地でストリートライブを続けてきた。最初は、韓国で日本の歌を日本語で歌うことについて、それを聞いた韓国人がどういう反応をするか心配もあったという。しかし、「杞憂でした。今まで1回だけ、酔っ払った人に話をふっかけられたことはありましたけど、その1回だけですね。むしろ、たくさんの人が応援してくれました」。カレーの値段(3,900ウォン)にも、これまでの韓国生活の中で多くの人にもらった親切やさまざまな出会いに対する感謝の気持ち「サン(3)キュー(9)」が込められている。
店内は日本に関するありとあらゆるもので飾られている。「最初は何もなくてあまりに寂しかったから、いろいろ飾っているうちにいつの間にかこうなりました」。日本の本や雑誌はもちろん、お菓子や食品の空きパッケージ、小物類であふれている。ポスター代わりにと張った日本のスーパーのチラシには、韓国人女性客が興味を示すそうだ。オクラなど韓国では売られていない食材などを珍しがるのだとか。
