釜山の東側にある松亭(ソンジョン)海水浴場近くに、日本留学組みの30代の青年2人が営む日本料理店がある。
店は周辺のカフェの看板に隠れるようにある、小さく素朴な店だ。2人は釜山海雲台の日本料理店で料理人として出会い、一緒に「タンポポ」を開いた。
「正直な料理をタンポポのように広めようという意味」でこの名前をつけた。「小さくても伝統の懐石料理を土台にした自由な料理」が彼らの夢だと話した。
■「小割り弁当」(上の写真)
その夢を具体的に表現したのが「小割り弁当」(3万ウォン)だ。
四角い檜でできた入れ物は12に仕切られていて、それぞれの枠には日本から取り寄せた器にあらゆる調理法を駆使した料理が盛られていた。
鮭、ヒラメ、まぐろ、ミズダコ、スズキ、だし巻き卵、焼き豚、鶏肉、野菜など、材料も多様だ。形は繊細でいながら華やかで、すっきりと品が良い味だった。
オーナーシェフのヒョンさんは「材料の新鮮度のため、一日30人分だけ準備する」と話した。
ところで「小割り弁当」は東京銀座の懐石料理店「吉兆」で始めた「松花堂弁当」を簡略化した創作料理だという。「松花堂弁当」は十字の仕切りを使って入れ物に盛る様式の懐石料理だ。高級感があって華やかな見た目で、味も逸品。この「松花堂弁当」が「タンポポ」で若者向けの気軽な雰囲気の弁当として生まれ変わった。
弁当に付くサラダと澄まし汁、浅漬け、茶碗蒸し、椎茸の寿司も見事な味だ。各種の果物で作ったソースをかけたサラダは品があり、さわやかな味で、澄まし汁も風味がよく、味がしっかりしている。香り豊かな椎茸の寿司は、甘辛さが食欲を刺激する。
食後のデザートのティラミスは生クリームの替わりにおぼろ豆腐、ココアパウダーの替わりに黒ゴマの粉を使っている。香ばしく、柔らかな味だ。
■ 韓国風にアレンジした「長崎ちゃんぽん」

お酒を飲んだ後、「長崎ちゃんぽん」(11,000ウォン)を食べてみたくなった。「長崎ちゃんぽん」は最近韓国でも人気だが、実際、日本のものは韓国人の口に合わない。スープが辛くなく、鶏や豚の骨からだしをとったスープを重く感じるからだ。この店では韓国人の口に合わせて作っている。
実際に出てきたものを見ると、スープが乳白色で濃い。そんなに辛くはないがピリッとして香ばしい。焼酎が入ったお腹がすっきりする感じだ。コシがあり、膨らんだ?は口の中でなめらかに喉を通ってゆく。 海老、カニ、イガイなど海産物もふんだんに入っている。
「たんぽぽ」のメニューにはこの他にもかなり多くの伝統的な日本料理がある。
ちらし寿司(18,000ウォン)、マグロや牛カルビ、穴子などの各種「どんぶり」(16,000~17,000ウォン)、「穴子寿司」(7,000ウォン)、刺身盛り合わせ、タコの酢の物(18,000~30,000ウォン)など約20種類の料理がある。
毎週月曜日休み。午後3時~5時半まで休憩。
釜山海雲台区松亭洞711-5 051-703-1044