韓国人にとって豚肉料理といえば焼肉やスユク(茹でた肉を薄切りにしたもの)、そうでなければクッパッ(豚肉の雑炊)だ。今回は焼肉、スユク、クッパッの店を紹介する。
「サンヘドン」(上の写真)
慶南 梁山(ヤンサン)市北亭洞(ポクチョンドン)のタムマートの前にある「サンヘドン」。1階は食肉店、2階は食堂をしている、豚肉専門店だ。釜山の中心地からここに肉を買いに来る人もいるという。
「サンヘドン」は 梁山市内で生産された豚肉につけられるブランド名だ。「サンヘドン」のブランドの称号を得るには、豚の飼料にプルミンという成分を添加して食べさせなければならない。プルミンは青海苔などの海藻から抽出したもので、これを食べた豚は脂臭いにおいがしないという。
「サンヘドン」のご主人は「龍院(ヨンウォン)畜産」という豚の加工工場も運営している。彼の弟は 梁山市院洞面(ウォンドンミョン)で1万3千頭の豚を飼育している。「龍院畜産」ではその豚を加工して販売している。そのため質のいい豚を比較的安い価格で提供できる。
バラ肉、首筋肉、首の肉、カルメギ肉( 豚の横膈膜と肝の間にある肉) の1kgセットで4万ウォン。バラ肉1人分(120g)7千ウォン。
慶南梁山市北亭洞912-2 055-372-6779
「サンゴルスユク」
釜山東莱区庁後門向かいにある「サンゴルスユク」はもともとはデジクッパッの店だが、この店のスユクに惚れ込んだ常連客から「スユクの店、スユクの店」と呼ばれるうちに、店名がスユクの店に変った。

この店のスユク(ゆでた肉を薄切りにしたもの)はもちもちと軟らかい。口の中で噛んでいるうちになくなってゆく感じだ。特別なソースは使っていないと思うが、甘味を感じる。
スユクと一緒に出てくるムグンジ(薬味を弱めにし長期間漬け込んだキムチ)も美味だ。 ムグンジをスユクに載せて一口食べると、香ばしさをさらに感じる。
ゆでる方法が特別なのかと尋ねると、ご主人は肉の状態がいいからだと言う。スユクには首筋の肉とカブリサル(肩ロース肉とひれ肉の連結部位にある赤身の肉)だけを使っているという。
キムチもこの店で作っていて、1万ウォンのニラのジョン(ニラのチヂミ)も長芋の粉とエゴマの粉など体にいい材料を選んで使っている。ニラのジョンはこの店の珍味だ。味が控えめで、食欲がそそられる。スユク1万5千~3万ウォン。開店は午後5時から。日曜休み。
釜山東莱区明倫路130-9 051-552-0332
「ソムナンデジクッパッ」
国際市場のほど近くにある富平(プピョン)市場の入り口にある「ソムナンデジクッパッ」のデジクッパッ(豚肉の雑炊)は通常の白く濁ったスープと違って、色が澄んだ褐色だ。

この店では一日に40~60kgの四骨を使う。厨房には大きな釜が2つ。ひとつは600℃まで、もうひとつは800℃まで温度が上がる。一度低い温度で味を出し、さらに高い温度でもう一度スープの味を引き出すためだ。こうして澄んだ褐色のスープが出来上がる。
クッパッに入った豚肉はチョンチ(前足)、バラ肉、首の肉の3つの部位を800℃で煮る。豚肉には肉の旨みがギュッとつまっている。
澄んだスープはあっさりしていてなかなかおいしい。クッパッに入った肉はよく煮込まれいて、弾力がある。デジクッパッ6000ウォン。
釜山中区富平洞2街65-2 051-254-5184