マッコリブームに乗ってマッコリの店が次々とできた。ちょっと違う雰囲気でマッコリを飲んでみようと思った。
釜田洞(プジョンドン)の『マッコリサロン(막걸리 살롱)』は雰囲気のいいカフェやワインバーのようだ。すてきな野外テラスまであって、天気のいい日には外で一杯できるくらいだ。そんなことを思い描いてしまうのはこのマッコリの店が好ましく感じられるからだ。
マッコリは地域ごとに、また醸造所ごとに味が違う。愛飲家たちは気にいったマッコリを現地に行って買うことができなくて残念だった。しかし、『サロン』にくれば全国の多様なマッコリを釜山にいながらにして飲むことができる。
釜山の『山城マッコリ』と『センタク』を始めとして、各地のマッコリが勢ぞろいしている。『サロン』では自慢のスペシャル有機農マッコリもある。江原道(カンウォンド)の養蜂場で作ったはちみつが入った『はちみつマッコリ』はどうだろう。二日酔いがないといって、女性にも人気だ。
「サロン」おすすめの、ヘムルジョン(海鮮ジョン)、全州居酒屋式ファンテグイ(冬に干したスケソウダラを焼いたもの)、豆腐と三枚肉キムチ炒めをおつまみとして頼んだ。全州居酒屋式ファンテグイはウエハースのような食感で、とてもカリッとしていた。豆腐と三枚肉キムチ炒めは冷めないようにコンロの上に載せてあったのがよかった。
店の中は若い女性客でいっぱいだった。席がなく、帰る客もたいていが女性だ。20代後半の女性であるパク・インギョン代表は、
「ワインが体に受け付けない代わりにマッコリが好きです。『ソンミョンソプマッコリ(송명섭 막걸리)が特に好きで、それもそろえてあったんですが、注文する人がいなくてメニューから消えたのが残念です」と語る。
甘くなく親しみにくいソンミョンソプマッコリの話をするのを見ると、すこしいける口のようだ。厨房はパクさんのお母さんの担当だ。2010月10月14日に開店したことを知らせるメニューには「一杯お飲みになりますか」と、書いてある。「サロン」ならばいつでも…。外国のお客様へ韓国の文化を知らせる場所になるだろう。
プジュジョン(ニラのジョン)などジョンは各1万ウォン、ファンテグイは8千ウォン、豆腐と三枚肉キムチ炒めは1万1千ウォン。
営業時間 午後4時~午前2時 釜山市釜山鎮区釜田2洞219-1
エンゼルホテル向かい 051-808-8870
ジョン:フライパンに油をひき、材料を薄くきり、小麦粉をつけて焼く食べ物の総称。
「雨の日はマッコリを飲みながらパジョン(ネギの入ったジョン)を食べる」という言葉が
あるように、昔からマッコリとジョンは庶民の身近な存在だ。
ソンミョンソプマッコリ(송명섭 막걸리):全羅北道(チョルラポクド)の井邑(チョンウン)のマッコリ