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[釜山の老舗] 釜山の老舗 ⑦ 「マラトン」<上> - 「釜山ㆍ慶南」 旅行ㆍ情報の窓口
 
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釜山の老舗 ⑦ 「マラトン」<上>
韓国再建の歴史と共に・・・今も変わらぬ名物料理
[Write date]  2011-05-02 오전 11:03:02

 

「マラトン1つ、ネクタイ1本!」・・・このなぞなぞのような言葉の意味が理解できる人は、53年の伝統を誇る居酒屋「マラトン」の常連だと言えるだろう。


「マラトン」は店名であると同時に、メニューの名前でもある。溶き卵に牡蠣・ムール貝・アサリなどの海産物や野菜を混ぜて鉄板で焼いたものだ。
1959年「マラトン」の店主が商売を始めたときに生まれた食べ物だ。特にこれといった由来がある食べ物でもなかったので適当な名前もなく、ただの「海鮮チヂミ」でしかなかった。人々はチヂミを焼く香ばしい香りに引き寄せられ、また海産物と卵は相性がよく愛酒家たちに大人気となった。そのおいしさは口コミで広がり、やがて行列ができるほどになった。



1936年ベルリンオリンピックのマラソンで、孫基禎(ソン・ギジョン)氏が金メダルを獲得。それ以来「マラトン(マラソン)」は、「速いこと」の代名詞だった。列を作って並んでいた誰かが、天幕の奥の方へ向かって「マラトンしよう!」と叫んだ。速く食べてくれという催促だ。「マラトン」という言葉はあっという間に広がった。店主は「海鮮チヂミ」に「マラトン」という名前をつけ、何年か後に天幕生活を脱し立派な店へと移ったときに店の名前まで「マラトン」にした。


1960
70年代、酒と言えば米からつくる清酒が主流だった。全羅北道・群山(グンサン)でつくられる「白花寿福(ペックヮスボッ)」は高級清酒の代名詞で、酒類の販売量1位だった。価格は他の清酒の1.5倍ほど。居酒屋では「白花寿福」を1.8リットルの一升瓶ごとではなく、小分けして売らねばならなかった。熱燗が人気だったが、酒を温める適当な容器がなかった。米軍から出回ってきたコーラ瓶だけは丈夫で湯煎にかけても割れなかったので、「白花寿福」をコーラ瓶何本かに小分けして熱燗にして売った。このとき「白花寿福」と一般の清酒を区別する必要があった。「白花寿福」が入ったコーラ瓶には赤い電線を瓶の首に巻いて目印にした。常連客はこれに「ネクタイ」というニックネームをつけた。


冒頭の「マラトン
1つ、ネクタイ1本!」とは、海鮮チヂミ1皿と「白花寿福」の(コーラ)1本という意味だ。


鉄道公務員だったミン・ビョンヒョン氏
(192289)と夫人のキム・ウォンヒ氏(79)は、朝鮮戦争時(1951)に黄海道(ファンヘド)・海州(ヘジュ)から釜山へ避難してきた。突然の避難だったので洋服1着と韓服1着、家財道具数点だけを持って逃げた。海州からソウルを経て釜山まで来るのに一月かかった。一月余り穴蔵のようなところで生活し、堂甘洞(タンガムドン)にあった避難民収容所へ移った。夫妻は米軍部隊で力仕事をしていたが事故で仕事をやめなければならなくなり、今度は商売を始めた。洋服を売って元手を用意し、スイカ売り、りんご売り、氷売りなどをした。しかし掛け金が踏み倒されたり、泥棒にあったりとうまくいかないことだらけだった。


借金だけが増えた夫婦は
1959年、昔の釜山商業高校(現在のロッテ百貨店本店)の横に天幕を張り、食べ物の商売を始めた。資金も技術も経験もないので、他に選ぶ道もなかった。チャガルチ市場でハゼを買ってきて、ぶつ切りの刺身を売った。地面を掘って埋めた甕にマッコルリを注いで、氷を浮かべた。これが「オルム()マッコルリ」の始まりだ。どうにかこうにか夏の間はよかったが、秋・冬の商売が問題だった。常連客の一人が、一度「海鮮チヂミ」をやってみてはどうだと勧めてくれた。毎日のようにチャガルチ市場に通っていたミン氏は海産物を買ってきて、溶き卵でとじて鉄鍋で焼いてみた。油は米軍から回ってきた「ショートニング」を使った。貧しい市民たちは油で焼く香ばしい匂いに、大いに食欲をそそられた。



おかげで1963年に夫妻は生まれて初めて、店と住居を兼ねた家一間を手に入れることができた(▲)。まさに今の「マラトン」があるその場所だ。ちゃんと店を構えたら、メニューも少し増やさねばならなかった。誰かが「おでん」をやってみたらどうだと勧めてくれた。「明月館」という有名料亭出身の料理人がおいしい「おでん」の味の秘訣を伝授してくれた。鶏一羽を丸ごと茹でたスープに、オムッ(揚げかまぼこ)、牛すじ、サトイモ、大根などを入れる。「マラトン」に続いて「おでん」までが大人気となった。車で店にやって来た客の中には、店内に空席がないとなると「おでん」を車内に持ち込んで食べる人までいた。






 

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