▲今月11日、福岡で先行上映された映画『めんたいぴりり』のワンシーン。幼少時代に釜山の市場で食べた明太子を日本で再現するべく、孤軍奮闘するホームドラマだ(写真=よしもとクリエイティブエージェンシー提供)。
今月11日、福岡で映画『めんたいぴりり』が公開された。今は福岡名物として全国的に有名な明太子だが、そのルーツを辿ると背景には釜山が浮かび上がる。映画は福岡を代表する特産物「辛子明太子」を作った、辛子明太子メーカー「ふくや」の創業者、川原俊夫・千鶴子夫妻の実話をもとにしたホームコメディドラマ。日本統治時代の1910年代の釜山で生まれ育った川原社長が、釜山の市場で食べた明太の味を日本で再現するため奮闘するストーリーだ。
10代の頃釜山で千鶴子夫人に出会った川原社長は、戦後福岡に戻り、1948年博多の中洲に食料品店をオープン。日本では初めて明太子を自ら作った人物だ。「味の明太子」という商品名で売り出され、一躍全国的な名物となった。劇中では、夫婦が釜山の市場でデートしていた頃を思い出す場面がセリフに出てくるなど、「釜山」の地名が度々登場する。
『めんたいぴりり』は、2013年に地方テレビ局のテレビ西日本(TNC)制作のドラマを初めて放送し、2015年には福岡でミュージカル化もされ、いずれも好評を得た。今回公開される映画『めんたいぴりり』は昨年10月、京都国際映画祭で先行上映され、今月18日から日本全国で公開される。